ちょっとカスタード

ちくわのわな

平成の音楽とはどういったものだったか(2004年の音楽から考える)

平成が終わってしまう。平成とはどんな時代だったのかということを考えてしまう。平成という時代で括ることに意味はあるのかと言う人もいるけれど、全く意味がないわけではないと僕は思う。

明日(4月1日)になれば次の元号のことを考えてしまうだろうから、今日(3月31日)のうちに何か考えておきたいと思った。僕が書けそうだと思ったのは音楽のことだ。平成の音楽とはどういったものだったのかを考えてみたい。

とは言うものの、1989年から2019年に流行った曲を今から聴いていたのでは間に合わない。そこでかなり乱暴ではあるが、対象を絞り込んでみたいと思う。

平成時代は1989年1月8日から2019年4月30日までの11070日になる予定で、「平成のど真ん中」となるのは1989年1月8日から5535日後の、2004年3月5日だ。そして、その「平成のど真ん中」の頃に流行っていた音楽を聞けば、平成の音楽が、また平成という時代がどういったものだったのかをなんとなく考えることができるんじゃないか。

そう考えて、以下のページで2004年01月〜03月頃の「月間シングルCDランキング」を見て、気になった音楽をピックアップすることにした。

※以前はオリコンやTBSの「CDTV」のサイトで昔の週間チャートが見られたはずなのだが、今は見られなくなっていた。

オリコン(oricon)「2004年03月」の月間シングルCDランキング - JPOP無料視聴PV

スピッツ - スターゲイザー

僕はスピッツびいきだから、どうしてもこの曲をピックアップしてしまう。

スピッツは平成を代表するバンドの一つだと思う。平成の全期間を通じて活動し、日本のロック系の音楽にも広く影響を与えている。

テレビのバラエティ番組のタイアップという形でヒットしたのも平成らしいと思う。(バラエティ番組の曲ということですぐ思いついたのは、「白い雲のように」など。)そして「あいのり」という番組もまた、素人を観察するという形をとったこの時代らしいテレビ番組だった。

平原綾香 - Jupiter

2004年10月に新潟県中越地震が発生した際に、ラジオではこの曲が多くリクエストされたらしい。平成は震災を始めとする自然災害の脅威を痛感させられる時代だった。そんな中でこの曲は、被災者への励ましの歌として受容されていた。

一青窈 - ハナミズキ

カラオケのDAMによると、「平成で最も歌われた楽曲」らしい。通信カラオケが登場したのは1992年のことで、カラオケでよく歌われることがヒットの条件となったのもこの時代だった。

平成で最も歌われた楽曲は「ハナミズキ」 DAM平成カラオケランキング発表、歌手別1位は浜崎あゆみ | BARKS

河口恭吾 - 桜

森山直太朗のさくら(独唱)や、コブクロの桜なんかもリリース時期はそれほど離れていない。平成というより、2000年代中期は「桜ソング」がやたらと流行っていた。

ハナミズキにも共通するが、こういったピアノやアコギとストリングスが入ったようなバラード曲もこの時代のJ-POPらしいと思う。

大塚愛 - さくらん

エイベックスが音楽レーベルを始めたのは1989年のことで、1990年代にはTRF安室奈美恵などの「小室ファミリー」を大ヒットさせ、それ以降も浜崎あゆみ大塚愛倖田來未らを送り出し日本のポピュラー音楽シーンに新たな勢力を築いた。

DREAMS COME TRUE - やさしいキスをして

ドリカムも平成を通じて活動してきた、この時代を代表するグループと言える。

以下の文章は、もう閲覧できなくなってしまったが、毎日新聞社のサイトに掲載されていた「週刊「1億人の平成史」速水健朗さんが語る「平成初期論」」から引用したものだ。

恋愛が、80年代のユーミンに代表される洗練された都市型から、90年代のドリカムに代表される「見えを張らない」形に変わった、と。それは、「J化」「J回帰」と言われる現象と関係がありそうですね。見えを張った西欧崇拝から、見えを張らないですむ日本文化へ回帰した、と。

また、個人的な記憶としては、母がこの曲を自身の携帯の「着メロ」にしていたことを思い出す。

SMAP - 世界に一つだけの花

間違いなく平成を代表する流行曲だと思う。ヒットの大きさ、SMAPというグループ、楽曲の内容どれをとってもこの時代のものだ。

発売は2003年の3月5日だが、超ロングヒットしたため2004年初頭にもオリコンチャートの上位に入っている。

SMAPは、昭和のスター的なアイドル像とは異なり、メンバーそれぞれが親しみやすいキャラクターを持ち、テレビを中心にマルチに活躍するタレントという新たなアイドル像を示して国民的なグループとなった。彼らは平成の終わりを待たずしてグループ活動を終了した。

この曲の詞の内容も、「ゆとり教育」の内容とも重なるような、競争ではなく「個性」を賛美するもので、この時代の空気感を反映している。

 

以上、企画も文章も雑だったが、思いついたことがあれば訂正や追記をしたい。